【理事長あいさつ】
お陰さまで、民家を利用した小規模デイサービスちえのわ、お泊まり事業を始めて丸5年となりました。当時、S町で宅老所事業を展開していたK氏(故人)、「金の無い、バカなヤツが始めるんだよ」とうのが常套句で、事業所開設前にスタッフ全員で研修させていただきました。まだ、当時は少なかった民家を利用した宅老所は、大規模施設にありがちな大人数相手で業務としての介護、流れ作業的介護の限界に対する挑戦だったと思います。特別養護老人ホームには無い家庭的雰囲気、高齢者が住み慣れた家に近く、お友達の家に遊びに来た感じで、通ったり泊まったりできる。小空間で高齢者と密に関わるなんとも言えない楽しさ、笑顔をたくさん引き出すことができ、遺り甲斐があり、癖となってハマってしまうのでした。
しかし、宅老所のお泊りは自主事業のために夜勤者も必要とし、人件費も高く経営上とても苦しいものでした。高齢のため体が不自由になったり、脳梗塞で身体障害を負ったり、認知症になったお年寄りが、失いかけた生きる力を引き出すことが大切なのです。誰もが自宅でしているであろう普通の生活、身の回りのこと(家事)、規則正しい生活をさせることが大事なのです。宅老所では、生活リハビリの観点から利用者の個別性を考慮して、無理なく行える、洗濯・掃除・ご飯作り、家の周りの草取り等、関節の節々を使わないことによる廃用症候群にならないように無理なく進めます。元気で暮らしていた時はなんでもないことが、病後、受傷後、何もできなくなったと諦めかけているお年寄りが、無理なく身の回りのことが少しづつできて、近頃褒められることが無くなった本人が、職員に褒められ・感謝されて、まんざらでもなく、何となく優しくてまたやろうと思うのです。そうして、宅老所で自分の役割見つけ、だんだんに慣れて落ち着き、自分の居場所として体が覚えていくのです。
資産もない、お金もない、お客さんもいない、経営ノウハウも無い、無い無いづくしで始めたこの事業も、小規模宅老所を支持して下さる利用者はじめご家族、地域住民、熱心なボランティア、同業事業者、関係行政機関、経営に理解を示して頑張ってくれるスタッフ等々の支えにより、なんとか5年を乗り切れたことに深く感謝しております。
2008年7月、お陰さまで、盛岡市厨川四丁目の地に念願だった、デイサービスと共同住宅きらくの郷および本部事務所を新築開設することができました。
介護にお困りの利用者が一人でも、最後にちえのわに来て少しでも良かったと感じていただけるように職員一丸となり精進を重ね、誰にも負けない努力をしてまいります。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 (合掌)
2009年6月吉日
特定非営利活動法人 ちえのわ福祉会
理事長 釜石 進